憲法違反の茶番劇 衆議院解散

投稿者: 一凡人 投稿日時: 2009/07/24 11:37:32

憲法違反の茶番劇 衆議院解散

憲法を無視した「衆議院の解散は首相の専権事項である」との虚偽の主張がまかり通って7月21日に衆議院が解散された。

衆議院議長が「ただいま、内閣総理大臣から詔書が発せられた旨伝えられましたから朗読いたします」「日本国憲法第七条の規定により、衆議院を解散する」と詔書の文章を読み上げ、議員の万歳のかけ声で衆議院解散のセレモニーが終わった。何故万歳なのか多くの国民には意味不明である。

憲法7条には次のように書かれている。

第7条 天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。
1.憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。
2.国会を召集すること。
3.衆議院を解散すること。 以下略
ーーー

もし、首相がこの憲法第7条第3項で衆議院を解散することが出来るのならば、第1項を使えば首相は好き放題に憲法改正や法律を公布することが可能になる。

勿論、首相は好き放題に憲法改正や法律を公布することが可能と主張する者は居らず、第3項が使える根拠は「国事行為とされている事項の実質的権限の帰属が憲法上明確でないものについては、国事行為に対する内閣の「助言と承認」を根拠として、内閣に実質的な権限があるとする考え方」にあるとされている[1]。

しかし、憲法69条には

第69条 内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、10日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない。

とあり、衆議院で内閣不信任の決議案が可決された時に内閣は衆議院を解散できると定めていると読むことが出来る。

実際、GHQ施政下にあった1948年(昭和23年)に衆議院を解散する際は、野党は69条所定の場合に限定されるという見解を採り、憲法草案に携わっていたGHQも衆議院解散を69条の場合に限定する解釈を採ることが伝えられ、野党が内閣不信任案を提出して形式的にそれを衆議院で可決し、69条所定の事由により解散する方法を採った[1]。

我が国と同じ議院内閣制度を採用しているイギリスでも内閣不信任決議案が不信任とされた場合、首相は辞任するか下院(庶民院)を解散しなければならないとされており、我が国の憲法の規定と同じである[2]。

明治憲法第7条には次の条文があった。

第7条 天皇ハ帝国議会ヲ召集シ其ノ開会閉会停会及衆議院ノ解散ヲ命ス

この条文であれば、天皇が衆議院の解散を命じることは完全に合憲であり、第1条に

第1条 大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス

と書いてあるのだから、衆議院の解散を命じられたときに、議員は天皇の命令に喜んで従うことを示すために万歳を叫んだのだろう。

しかし、新憲法には「衆議院の解散は首相の専権事項である」とは書かれていないし、これは憲法および3権分立の精神を無視して政治家や自称専門家が勝手に決めた世界に類のない強権である。

この様な憲法違反の強権を小泉首相は使って、参議院で法案が否決されたからと言って衆議院を解散した。そして、国民の一時的な熱気を煽り立てたポピュリズム(衆愚政治的)選挙で、与党は3分の2を超える多数を得た結果、自民党をぶっ壊すだけでなく、日本を崩壊させる寸前にまで来ている。

もし、小泉の郵政改革がこのまま進めば、300兆円と言われる郵貯の資産は、密かに米国のサブプライムローン等の怪しげな債権の買い取りに使われ、全てがアメリカの金融資本家に吸い取られるだろう。

憲法で定められた衆議院の4年間の任期は9月10日であり、違法な解散が行わなければ我が国の生存に関わる「北朝鮮特定貨物の検査等に関する特別措置法案」等の数多くの重要法案が審議未了で無為に葬られることは無かっただろう。

上記のサイト[1]には「衆議院解散の実質的な権限を持つのは内閣とする見解にほぼ固まっているが」と書かれているが、憲法違反を繰り返せば合憲になる、とは憲法の何処にも書かれていない。それどころか憲法第12条には

第12条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。

とあるように、国民には憲法を保持する義務が課せられている。

結論 「衆議院の解散は首相の専権事項である」は憲法違反である。野党はこの憲法違反を傍観せず、政府の違法行為を阻止すべきであり、況や自党の利益のために「解散せよ、解散せよ」と政府の憲法違反行為を煽り立てるべきではない。


[1] 衆議院解散 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A1%86%E8%AD%B0%E9%99%A2%E8%A7%A3%E6%95%A3

[2] イギリスの政治 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%AE%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%81%AE%E6%94%BF%E6%B2%BB
庶民院は、首相を決め、政府(内閣)を監視する場でもある。庶民院は首相を指名し、儀礼的にそれを承認するのは国王だが、庶民院は国王演説(政府の施政方針を国王が朗読する)の後の採決や、内閣不信任決議案の審議などで首相を信任するかどうかを決定する。不信任とされた場合、首相は辞任するか庶民院を解散しなければならず・・略


これまでのコメント

  1. 匿名 :

    先月も同趣旨の投稿がありました。
    ですから、憲法違反の解散以外で国民の声を直接聞く道が必要ですね。

  2. 匿名 :

    そういう観点からいえば小泉さんの郵政解散など憲法違反の一等賞ですな

  3. 匿名 :

    最近見ないなかなか学問的な投稿ですね。
    論談の老人たちも文句がつけられないので黙っているのでしょう。

  4. 匿名 :

    国際政治の観点からも衆議院議員は
    四年間の任期を全うさせ
    総理総裁も四年任期とすべきだろう

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