財団法人化マンション管理センターに問う
投稿者: ジャーナリスト成田俊一 投稿日時: 2009/07/22 18:00:32
昨年12月12日、ある民事裁判の判決が名古屋地裁で下された。損害賠償請求の裁判である。原告は、マンション・ビル保全協同組合(名古屋市、坂野幸典代表理事、以下、ビル保全と略述)で、被告は、愛知建物監理協同組合(名古屋市、加藤司代表理事、以下、愛監と略述)。
愛監は、財団法人マンション管理センターが運営する中部テクノサポートに現在も加盟しているが、ビル保全の方はすでに脱会している。
テクノサポートという組織は、老朽化したマンションや集合住宅の改修工事やリフォームを請負うために結成された業者組合で、東京、名古屋、大阪に支部がある。老朽化した大規模マンションの改修工事はその安全性からも需要は多く、市場は拡大している。
私が、論談目安箱に2年半ほど前の平成19年2月7日に掲載した《マンション管理センターは本当に「公平で公正」か》という記事が、上記の訴訟の発端となったばかりか、私自身が訴えられる事態に至った。私の書いた記事が、民事訴訟の中心に据えられたのである。
訴訟の構図は次のようなものである。
①私は、愛監や関係者から取材した内容(テープ収録)を記事にした。
②結果として、記述はビル保全を誹謗した内容となった。
③記事を見たビル保全は、取材に答えた愛監の加藤代表理事と記事を書いた私の2人を、信用棄損 で民事告訴した。
愛監の加藤代表理事は、私に対して「取材はオフレコだった」と抗議していたが、意図的なガセ情報を確認した私は「書きます」と通告し、そして書いた。しかしビル保全は私をも訴えてきたのである。
私は記事の正当性を主張はしたが争うことをやめた。控訴もしなかった理由は、取材と記事に対する自信は揺るがないものの、結果としてビル保全の営業妨害につながってしまったことは認めざるを得ないと判断したからだ。
ところが愛監の方は、法廷で「成田とビル保全が共謀した」などと主張した。とんでもない業者である。共謀した?という根拠もない話を公判に持ち込んで、ビル保全からの賠償請求を私になすりつけ責任逃れを企んだ。共謀の事実などないことは判決文を読めばわかる。共謀だと主張した愛監も、当然のことだが敗訴した。
その判決前に、愛監はビル保全に対して謝罪文を提出している。全文は以下の通りだ。
~当組合員(愛知建物監理協同組合)関係者が①「マンション・ビル保全協同組合は著しく安い金額で受注し、談合している特定の施工業者に修繕改修工事を請負わせてその施工業者からリベートを受け取っている。②マンション・ビル保全協同組合のバックには暴力団の企業舎弟がついている。これが原因でこの組合は、財団法人マンション管理センターのテクノサポートメンバーから除名処分とされ、その登録を抹消された」との趣旨の言動を行ったことは、事実に反しており、これによってマンション・ビル保全協同組合へ多大なご迷惑をお掛けしたことを陳謝します。~
今年1月5日、判決は確定した。
つまり、愛監はビル保全に対する信用毀損を公式に認め、敗訴したのである。
問題は、ここから先にある。前述のように、愛監は現在も中部テクノサポートに加盟したままである。ビル保全は脱会している。脱会の理由は、ビル保全が中日新聞に出した広告が関係する。同社は広告で<マンション管理会社は不当な利益を取っている>という業界のタブーをあえて載せた。
これを問題視したのが中部テクノサポートだった。その姿勢に反発を感じたビル保全は自ら脱会したが、この脱会を「除名処分された」と取材に答えたのが愛監だったのである。
中部テクノサポートは、ビル保全が起こした裁判も判決も知らないであろう。加盟している各組合は、実質的には受注競争の関係にあり、日常の営業過程で今回のような意図的な妨害行為もあるのだという実態も知らないであろう。しかし法廷で、その違法性は明確に断罪された。
それでも加盟し続けることができるものなのだろうか。中部テクノサポートがその判断を下せないのなら、財団法人マンション管理センターが下すべきではないか。以下の判決を読むべきである。
名古屋地裁民事第二部
平成20年(ネ)第755号 20年12月12日判決、21年1月5日判決確定
