総務大臣の郵政社長人事介入について

投稿者: からすみ 投稿日時: 2009/06/13 8:35:08

総務大臣が郵政社長人事にダメ出しをしている件、この問題について私なりの論評を投稿したいと思います。

総務大臣が、今・何故、民営化郵政の社長人事に口を出すか。特に今のこのタイミングで何故か?ということについて考えてみましょう。

これには旧郵政官僚の深い思いがあって仕掛けられていることだと思っております。。それをこれからご説明いたしましょう。

結論から申し上げると、旧郵政省のお役人が郵政会社の社長ポストが欲しいから、というのが答えです。もっと言うと、今後、郵政会社社長ポストを永続的な天下り先としたいための仕掛けだと思われます。

なぜこのような事が言えるのか?それは私が電電公社→NTTの民営化の流れの中で、現在のNTT持株会社の中枢を見てきたからです。

それでは、郵政会社社長の問題に触れる前に、まずは電電公社の民営化を例にとって順を追ってお話しましょう。

電電公社が1985年に日本電信電話株式会社、新生NTTとして民営化される際、初代社長は故・真藤恒氏(石川島播磨重工元社長、土光臨調の申し子)でありました。

このNTTに民営化される際に真藤総裁から真藤社長へ民間人がトップとして民営化の鼻緒を取ったことを、旧郵政省は非常に悔いています。

もともと、旧郵政省はあまり重要な行政官庁の位置づけではなく、サンダル官庁と揶揄されるような、三流官庁として軽く見られている役所でありました。

それは何故かという最大のポイントとして、旧郵政省は天下り先として大きな組織(外郭団体)を未だに持っていないことが挙げられます。まあ、どうせあの役所に行ったって、大した天下り先はないということですね。役所としての利権がないんですよ。

例えば、旧農林省はJRA、旧文部省は競輪業界、旧通産省は競艇といった具合に、お金が潤沢にはいってくるような匆々たる管轄組織を持たず、それゆえおいしい天下り先を持っていないがためにサンダル官庁などと言われていたわけです。

この、他の省庁のようなコントローラブルな大きな魅力ある省外組織を有し、永続的にその長たるポストを握ることこそ、旧郵政省の長年の悲願★なのです。この強い思いは、現ロシアがロシア帝国時代から、不凍港を求めて歴史的に南下政策を取っていたのと同じくらい強いものです。

そして、やがて土光臨調、中曽根元総理の仕掛けにより、NTTという日本を代表する巨大株式会社が成立したことを契機に、旧郵政省はどうしてもここの社長ポストを永続的な天下りポストにしたかったのです。

ところが民間出身の真藤氏が電電公社総裁から初代NTT社長になった後、旧郵政省OBがNTTの社長になったことは今まで1度としてありません。

なぜか・・・?
それは旧電電公社の生え抜きが、絶対に霞ヶ関官僚を社長に据えない工夫をし、郵政官僚が社長になることを阻んできたからです。

ただし、そうやって人事面で役所の意向を拒んでばかりいては意地悪をされます。例えば、NTTにとって様々なクレームや、これでやっていけるか??というような料金値下げなど、NTTの体力を奪う方法でとても監督官庁が元の官庁組織に対する扱いとは言えないような施策も多々あります。

(これは、現在、鳩山が、かんぽの宿や大手町の建物でクレーム付けているのいっしょ。NTTの場合は民営化され社長は民間人や生え抜きで社長ポストを維持してきましたから、役所(総務省)が直接意地悪をしかけてきています。ただ、現郵政グループは役所が今の時点で直接やると露骨に社長ポストの件とリンクしているのがバレバレになるので、大臣に言わせているだけのことです。糸を引いているのは役人です。鳩山だと声も大きいしね。)

ですから、現在はNTT経営陣に取締役とかの役員などでは、旧郵政官僚を迎え入れてはいます。以前、澤田副社長(旧郵政官僚からの役員就任)時代には、その後の社長人事で澤田氏が後任か、というところまで行きかけていましたが、代表権のない会長に祭り上げることでかろうじて社長に就任させることを食い止めています。)

よって、悲願である、おいしい外郭団体に永続的天下り社長ポストを・・・という旧・郵政官僚の悲願は未だに達成されていないのです。

それは、今のように分割されたNTT(つまりNTT持株、東・西・コミュニケーション)において、社長ポストが分割会社数だけ増えても、この事情は変わりませんでした。

NTTの分割化において、社長ポストを増やすことにより、旧郵政の天下り先社長ポストを確保しようとしたのですが、ことごとく失敗に終わっています。

別な言い方をすると、それだけNTT経営陣は一枚岩で、官僚からの社長就任をいやがっているということにもなります。(もちろん、分割には巨大NTTの一社独占体制が市場の公正な競争を阻むためという大儀はあります。分割の理由はそのためということは妨げませんが、別の目論見も郵政側にはあったということです)

その結果、郵政の悲願は未だに達成されないままです。そして、このNTTの『社長は生え抜きから』という構図が完成してしまった今(というかこれが当たり前なんですけど(笑))、最早、総務省出身者からNTT社長が出るということは今後もないでしょう。

そうこうしているうちに、小泉元首相の郵政民営化が降って湧いて出てきました。
ここからが郵政社長人事。

電電公社民営化やその後の分割化は、旧郵政官僚にとって大いなる反面教師になりました。
最初の社長に民間人を充てたら、その後官僚側は社長ポストを取れないと・・・。

旧郵政官僚にとって、今回の郵政公社の民営化は最大にして最後のチャンスです。
今回を逃したら、もう彼らに外郭団体となる大きな持ち駒はありません。
何としても官僚側から民営化郵政会社の社長を送り込みたいとの思いを新たにしたはずです。

鳩山からは、西川社長へのバッシングが毎日のように続いています。かんぽの宿、建物、こじつけの身障者郵便の許可西川責任論にしても全て役人が描いたシナリオで、官僚側はどうしても西川社長を阻止しなければならない理由があるのです。

民間会社出身者が初代社長では、郵政会社まで『社長人事=生え抜き』という流れ、構図がまたぞろできあがってしまいます。官僚は本当にどうしても阻止したい。そうじゃないとNTTのようになってしまう・・・。

郵政会社についても、初めての社長が役所からという実績が作れなければ、永遠に永続的天下り社長ポストが作れなくなるのはNTTの例をとっても火を見るより明らかで、それ以降は生え抜き重視の人事になっていうことは賢い霞ヶ関の役人なら容易に想像できます。

さらに、今回の衆議院選挙ではもしかしたら民主党が政権を取るかもしれない。民主党には郵政民営化は見直すべきだという勢力もありますが、それ以上に官僚支配の打破ということの重みの方が大きいと思われます。

もし、民主党政権になったらそれこそ郵政社長の目はますますなくなる。今しかない!という切羽詰まった状況だからこそ、だからこそ今、この時期に西川社長就任を潰したいで大騒ぎに仕立て上げている。

この騒ぎで、もし西川新社長が実現しなければ、募っても乞われてもそれこそ民間から社長に手を挙げる人はいないでしょう。実は、そ・こ・に・こ・そ・郵政官僚が狙う巧妙な仕掛けがあることに気づかなければなりません。

民間からの社長になり手がないからこそ、最終的には役人が初代社長に就任する(させる)。しかしこれこそが、今後末永く郵政社長を旧郵政官僚の天下りポストに仕立てるシナリオです。一旦握ったポストは絶対手放しませんからね、役人は。

役人にとってこのシナリオが成功すれば、日本を代表する1,2の企業となる大企業の永続的天下り社長ポストが旧郵政官僚の手に入ります。そして郵政族の長年の悲願が実現するわけです。

そして、鳩山にとっては『民営化見直しーーー』と声高に叫び、衆院選で郵政の票を少しでも自民党に振り向けるためには絶好のパフォーマンスとなるに違いありません。

そう、旧郵政官僚と自民党政治家の利害が一致した瞬間です。

大臣辞任を覚悟なんてかっこつけてももうすぐ衆院選は解散し、内閣は総辞職するわけだし、今辞任しても痛くも痒くもない。そんなの折り込み済み。見苦しい見苦しい。

評論家や政治学者、マスコミは、何故このことを指摘しないのでしょう。

官僚が郵政社長という構図ができたら、またぞろ役人支配の会社ができてしまう。ある意味、役人に食い物にされるか運営がねじまげられてしまう。現総務省(役人)にとって都合の良い運営にしていきますからね。

ひょっとしたら民営化高速道路会社への財投も復活するかもしれないし、これは将来、日本国にとって郵政民営化の意義を潰しかねない大変重要な事案です。

マスコミは、全社結託してこのことをキャンペーンすべきだと思っています。
なぜやらない!!

今こそ、マスコミのあの影響力がある偉大な力を見せるときなのに・・・・。野党政治家にもこのことを指摘する人はいませんね。残念です。(かんぽの宿等で何かにかの西川氏に多少の不適格性があったとしても) 西川社長がこのまま成立させなければならないと思っています。

余談ですが・・・・・

NTTは民営化後も、いまだに社長人事は郵政大臣の許諾事項。
制度的には総務大臣がウンと言わなければNTT社長にはなれないのです。

ですから、この人なら社長として許諾申請出しても総務省はダメ出しをしないだとうという人物を役所に上げて実現しています。

別な言い方をすると、このポイントに於いて、今でもNTTは厳密な意味では完全な民間会社ではありません。今の形態でようやく半官半民になったんです。完全な民間会社なら総務省の許認可なんか必要なく、役員人事は取締役会を経て株主総会で決められますからね。

電電公社時代、公社は半官半民ということになっていましたが、公社の時代:これは完全な『官』。お役所でした。

それが民営化されてようやく半官半民になったということです。
郵政グループとて同じ事です。この民営化でようやく半官半民になるんです。


これまでのコメント

  1. 匿名X :

    書かれていることには、国民の利益という観点が完全に抜け落ちている。
    役人の天下りは確かに良くないが、民間に任せると一層悪くなることの認識が欠けている。
    具体的には例えば、

    > 官僚が郵政社長という構図ができたら、またぞろ役人支配の会社ができてしまう。ある意味、役人に食い物にされるか運営がねじまげられてしまう。現総務省(役人)にとって都合の良い運営にしていきますからね。

    オリックス不動産への「かんぽの宿」の一括売却は“改革利権”を総合規制改革会議参加メンバーの関連する企業に利益を不当供与である。

    「かんぽの宿」疑惑(上)
    http://www.worldtimes.co.jp/special2/kanpo/090303.html

    > ひょっとしたら民営化高速道路会社への財投も復活するかもしれないし、これは将来、日本国にとって郵政民営化の意義を潰しかねない大変重要な事案です。

    郵政民営化の意義とは、郵貯をアメリカの利益のためにつかうことですか?
    高速道路の渋滞はひどくなってきているが、何故日本の高速道路建設に使うことが悪いのですか?
    アメリカの利益にために使うよりは、日本の利益にために使う方が遙かに良い。

    > そして、このNTTの『社長は生え抜きから』という構図が完成してしまった今(というかこれが当たり前なんですけど(笑))、最早、総務省出身者からNTT社長が出るということは今後もないでしょう。

    NTTの通話料は世界一高い。これもNTTの『社長は生え抜きから』という構図が完成してしまったからでしょう。

  2. 匿名 :

    だれも郵政を官僚に戻せなんていってないぞ。
    そもそも簡保の宿みたいは不良債権施設作ったのはあほ官僚だろう。
    小泉竹中西川宮内のおもちゃをとりあげろっていってるだけだ。

  3. 匿名 :

    複雑な話は、解りませんが、「郵政民営化」の現在までの経緯・流の中で、国民側から見て、疑問に為る・不透明な事案が認められます。
    それには、現時点で、現体制を見直して、新しい責任者の下で、明確化し・軌道修正が必要であると思います。
    鳩山前総務大臣は、その必要性を実感して、社長交代を主張したのだと思います。
    鳩山さんから、それらに就き、具体的な事実の開示はされませんでしたが、「かんぽの宿」の責任問題以外に、それなりの背景・事実があるから、あの様な、行動を執られたのだと推量し・理解して居ります。

  4. 匿名 :

    だから鳩山知ってること全部はいちゃえよ

  5. 匿名 :

    民間が国民の為になると言う理屈が何処から出てきたのでしょうか?
     
    民間企業は、株主に対してと社内内部留保を考えて利益を出すのが使命と考えますが異論のある方はいませんよね。
     
    では、国民の為とはどう言う事なのでしょうか?
     
    民間の様に1000円で売っているものが、150円の株主利益と150円の内部留保とその他原価だとすれば、少なくとも700円の価値しかないものを国民の税金から作り、70%のサービスしか受けられないのです。
     
    これが国民の為と言えるのでしょうか?
     
    漢字検定協会が、公益法人と言うのに、1000円の物を1000円で提供せずに民間企業に委託して更に民間企業以上の利益を得ていたと言う事で、理事長等が、逮捕されましたが、公共とか、公益と言うものは、赤字は出さず黒字も出さずと言うのが、正しい事なのです。
     
    国家予算が、プライマリーバランスを守ると言う極当たり前の言葉が924兆円の借金を作り続けた自民党からやっと出てきました。
     
    国民の為とは、民間の様な利益や内部留保を取る様なものではなく、公共とか公益とか言われる、利益を取らず、赤字を出さない財政の事を言います。
     
    赤字でも良いと言う考え方の官僚は駄目だとしても、利益確保しなければならないと言う民間企業の考えでも駄目なのです。
     
    さて、話を「総務大臣の郵政社長人事介入について」に戻しますと、まだ、郵政についての株は日本国民が持っていますので、まず本当に民間にして良いのか? 良いならば、郵政は国民に無関係な事ですから、人事介入するべきでは有りませんが、もし4年前の小泉自民党の郵政民営化が間違っていたと思うなら、もう一度公社化に戻すべきでしょう。
     
    そして、人事問題に介入して、利益を出す事がもてはやされている、公共の民営化を改める社長であれば、民間でも官僚でも誰がなっても良いと思います。
    勿論、赤字を出す事は言語道断です。
     
    西川社長の経営の疑問は、黒字にする為に今ある人と物を使って方法を変えて黒字を出す様にせず、まず価値ある物を1/25程度にして自分の元いた会社に叩き売りして、その会社が、その何倍もの価格ですぐに転売している事実がある事は、国民の株を持っている郵政の会社に対しての背任行為と言えるでしょう。
     
    これは、業務改善案を提出したり、鳩山に謝罪すると言う事で納まる問題でなく、刑事事件に関わる重大な事ですから、鳩山に人事権が無いとしても、人事案の認可件の行使は、国民の為に必要な行動です。

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