健康診断の効用と問題点
投稿者: 投稿日時: 2009/05/16 9:21:12
日本人は健康診断の好きな民族といってよいが、この数年健康診断の効用が論議されている。
今はやりのEBM(証拠に基づいた医療)によれば、乳がん(マンモグラフィ)、胃のバリウム、大腸がんの便潜血などわずかな検診しかコストベネフィットがないようである。
私の個人的な意見では、症状が現れたときに速やかにに受診するのが一番だと思う。というのは、経験上健康診断のフィルムは健康人だと思って診方がイージーになりやすいからだ。実際胃がんと診断された患者さんの検診のフィルムをとりよせてみたら、五年前からあったという笑えない話もある。
またつい最近名古屋地裁で、肺がんで死んた医者の遺族が職場検診のフィルムを誤読されたと訴えた例では請求は棄却されたが、そんなことは枚挙にいとまがない。
ただし、画像診断の進歩で腹部超音波検査は癌年齢でやっておいて損はないと思う。特に女性の卵巣腫瘍は沈黙の殺人者といえるからだ。
それから、論点は違うが最近正常値が狭くなる傾向があり、これは患者をふやそうとする無意識の戦略ではないかと思われる。特に正常血圧や正常コレステロ-ル値については疑義が多い。
健康診断で血液検査等に全部合格する人は1-2割というが、これではあまり意味がなかろう。不合格者が1ー2割のほうが効率的というものだ。
